
「韓国は物価が安い」というイメージで出かけて、帰国後にカードの明細を見て驚いた——そんな声が増えています。2026年のソウルは、冷麺一杯が1万2千ウォン台、サムギョプサル1人前が2万ウォンを超える水準です。だからこそ、出発前に韓国旅行の予算を1日単位で組み立てておくと、現地での判断がぶれません。
この記事では、韓国の公的機関が公表している実際の価格データだけを使って、旅行予算を「節約型・標準型・グルメ型」の3パターンでシミュレーションします。推計値や体感価格は一切使っていません。すべて出典と確認日を明記しています。
この記事で使った数字の出典(2026年10月25日確認)
飲食費は韓国消費者院(한국소비자원)が運営する価格情報ポータル「参価格(참가격)」のソウル地域・外食費データを使用しました。交通費はソウル特別市および空港鉄道(AREX)の公式案内、入場料は国家遺産庁・宮陵遺跡本部の公式料金表です。
- 飲食費:韓国消費者院「参価格」外食費(ソウル地域・1人前基準)
- 地下鉄・バス・タクシー:ソウル特別市 交通料金案内
- 空港鉄道:AREX 一般列車 運賃案内
- 宮の入場料:国家遺産庁 宮陵遺跡本部 観覧料金
注:宿泊費は時期・エリア・予約時期で変動が大きく、公的機関が公表する平均値を確認できなかったため、この記事の1日あたりの試算には含めていません。宿泊費は予約サイトの実額を別途加算してください。
韓国旅行の予算の基本:1日あたりの内訳は4つだけ
旅行の予算は、細かく分けるときりがありません。実際には次の4項目を押さえれば、ほぼ誤差なく見積もれます。
| 項目 | 変動の大きさ | 1日あたりの目安 | コントロール方法 |
|---|---|---|---|
| 食費(3食) | 大きい | 約2万〜5万ウォン | メニュー選びで倍以上変わる |
| 市内交通費 | 小さい | 約3千〜1万1千ウォン | 地下鉄中心かタクシー中心か |
| 観光・入場料 | 中 | 0〜6千ウォン | 宮は安い、テーマパークは高い |
| 買い物・カフェ | 最も大きい | 人による | 上限を決めて先に分けておく |
このうち食費と交通費は公的データで正確に読めます。つまり予算の土台部分は、出発前にほぼ確定できるということです。
【データ1】ソウルの外食費:参価格の実数値
韓国消費者院「参価格」が公表しているソウル地域の外食費(1人前・普通サイズ基準)は次の通りです。2026年10月25日時点で確認できた最新の公表値です。
| メニュー | ソウル平均価格 | 日本語での呼び方 | 予算上の位置づけ |
|---|---|---|---|
| 김밥(キンパ) | 3,869ウォン | 海苔巻き1本 | 最安クラスの主食 |
| 자장면(ジャージャー麺) | 7,654ウォン | 中華風まぜ麺 | 安い外食の定番 |
| 김치찌개백반(キムチチゲ定食) | 8,654ウォン | チゲ+ご飯の定食 | 節約型の夕食に最適 |
| 칼국수(カルグクス) | 10,038ウォン | 手打ちうどん | 1万ウォンの壁 |
| 비빔밥(ビビンバ) | 11,769ウォン | 混ぜご飯 | 標準型の昼食 |
| 냉면(冷麺) | 12,692ウォン | 冷たい麺 | 標準型の夕食 |
| 삼계탕(サムゲタン) | 18,192ウォン | 参鶏湯 | ごちそう枠 |
| 삼겹살(サムギョプサル) | 21,321ウォン | 豚バラ焼肉1人前(200g換算) | 最も高い定番 |
注目すべきは最安のキンパ(3,869ウォン)と最高のサムギョプサル(21,321ウォン)で約5.5倍の差がある点です。1日3食をどう組むかだけで、食費は2万ウォン台にも5万ウォン台にもなります。
なお参価格の注意書きにある通り、地域ごとに調査対象店や品質が同一ではないため、地域間の単純比較には向きません。あくまで「ソウルでの相場観」として使ってください。
【データ2】交通費:ソウル市内は想像より安い
ソウルの公共交通は、旅費の中でもっとも予測しやすい項目です。地下鉄の基本運賃は2025年6月28日から1,550ウォンに改定されました(それ以前は1,400ウォン)。
| 交通手段 | 交通カード基本運賃 | 備考 | 1日3回利用した場合 |
|---|---|---|---|
| 地下鉄(首都圏) | 1,550ウォン | 10kmまで基本運賃 | 4,650ウォン |
| 幹線・支線バス | 1,500ウォン | 青・緑のバス | 4,500ウォン |
| 循環バス | 1,400ウォン | 都心循環 | 4,200ウォン |
| マウルバス(村バス) | 1,200ウォン | 短距離の小型バス | 3,600ウォン |
| 広域バス | 3,000ウォン | 首都圏郊外へ | 9,000ウォン |
| 深夜バス | 2,500ウォン | 深夜時間帯 | 7,500ウォン |
午前6時30分より前に最初の交通機関に乗ると基本運賃が20%割引になる「早朝割引」もあります。早起きして市場へ行く日は、この割引が効きます。
タクシーは「使う日」と「使わない日」を分ける
| 区分 | 時間帯 | 基本運賃(1.6kmまで) | 距離運賃 |
|---|---|---|---|
| 一般 | 04:00〜22:00 | 4,800ウォン | 131mごとに100ウォン |
| 深夜割増20% | 22〜23時/02〜04時 | 5,800ウォン | 同上に割増適用 |
| 深夜割増40% | 23〜02時 | 6,700ウォン | 同上に割増適用 |
深夜0時台にタクシーで帰るだけで、基本運賃が地下鉄の4倍以上になります。予算が崩れる原因の多くは、この深夜タクシーです。地下鉄の終電時刻を先に調べておくことが、そのまま節約になります。詳しい乗り方は韓国の地下鉄とT-moneyカードの使い方にまとめています。
空港からの移動:AREX一般列車が最安
| 区間 | 列車種別 | 大人運賃 | メモ |
|---|---|---|---|
| ソウル駅 → 仁川空港第1ターミナル | 一般列車 | 4,750ウォン | 各駅停車 |
| ソウル駅 → 仁川空港第2ターミナル | 一般列車 | 5,350ウォン | 各駅停車 |
往復しても約1万ウォン。リムジンバスやタクシーと比べると、空港アクセスは旅費の中で最も圧縮しやすい部分です。
【データ3】観光・入場料:ソウルの宮は驚くほど安い
| 施設 | 大人の観覧料 | ポイント | |
|---|---|---|---|
| 景福宮(キョンボックン) | 3,000ウォン | 最も大きく見ごたえあり | 韓服着用で無料 |
| 昌徳宮(チャンドックン)※殿閣 | 3,000ウォン | 世界遺産 | 後苑は別途予約 |
| 徳寿宮(トクスグン) | 1,000ウォン | 市庁前でアクセス良好 | 夜間も人気 |
| 昌慶宮(チャンギョングン) | 1,000ウォン | 静かで散歩向き | — |
| 統合観覧券 | 6,000ウォン | 4大宮+宗廟 | 6か月以内に各1回 |
4つの宮と宗廟をすべて回っても統合観覧券6,000ウォン。しかも韓服を着ていれば無料です。韓服レンタル代はかかりますが、写真と入場料を同時に手に入れられると考えれば悪くありません。
韓国旅行の予算を3パターンでシミュレーション(1日・宿泊費別)
ここまでの公式データだけを足し合わせて、3つの目的別に組み立てます。すべてソウル市内に滞在する1日分で、宿泊費と航空券は含みません。
① 節約型:とにかく安く、歩いて見る1日
| 項目 | 内容 | 金額 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 朝食 | キンパ | 3,869ウォン | 参価格 |
| 昼食 | ジャージャー麺 | 7,654ウォン | 参価格 |
| 夕食 | キムチチゲ定食 | 8,654ウォン | 参価格 |
| 交通 | 地下鉄2回 | 3,100ウォン | ソウル市 |
| 観光 | 徳寿宮 | 1,000ウォン | 国家遺産庁 |
| 合計 | — | 24,277ウォン | — |
1日2万4千ウォン台。これが公的データで裏づけできる1日あたり費用の下限ラインです。コンビニを組み合わせればさらに下げられます(韓国のコンビニ活用ガイド)。
② 標準型:定番グルメと宮めぐりをバランスよく
| 項目 | 内容 | 金額 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 朝食 | キンパ | 3,869ウォン | 参価格 |
| 昼食 | ビビンバ | 11,769ウォン | 参価格 |
| 夕食 | 冷麺 | 12,692ウォン | 参価格 |
| 交通 | 地下鉄2回+バス1回 | 4,600ウォン | ソウル市 |
| 観光 | 4大宮統合観覧券 | 6,000ウォン | 国家遺産庁 |
| 合計 | — | 38,930ウォン | — |
多くの旅行者の実感に近いのがこの約3万9千ウォンのラインです。1日の上限を4万ウォンで設定しておけば、観光と食事の両方を無理なく回せます。
③ グルメ型:サムゲタンとサムギョプサルを外さない1日
| 項目 | 内容 | 金額 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 朝食 | カルグクス | 10,038ウォン | 参価格 |
| 昼食 | サムゲタン | 18,192ウォン | 参価格 |
| 夕食 | サムギョプサル(200g換算) | 21,321ウォン | 参価格 |
| 交通 | タクシー2回+地下鉄1回 | 11,150ウォン | ソウル市(基本運賃基準) |
| 観光 | 景福宮 | 3,000ウォン | 国家遺産庁 |
| 合計 | — | 63,701ウォン | — |
節約型の約2.6倍。同じソウルの1日でも、かかる費用はここまで開きます。
3パターン比較と、3泊4日の総額イメージ
| パターン | 1日あたり | 3泊4日(4日分) | 空港往復(AREX)を加算 |
|---|---|---|---|
| 節約型 | 24,277ウォン | 97,108ウォン | 106,608ウォン |
| 標準型 | 38,930ウォン | 155,720ウォン | 165,220ウォン |
| グルメ型 | 63,701ウォン | 254,804ウォン | 264,304ウォン |
ここに宿泊費と買い物代を足したものが、実際に必要な総額になります。逆に言えば、「読める部分」はこの表で確定できるということです。
韓国旅行の予算を崩さない5つのコツ
- 深夜タクシーを前提にしない:23〜02時の基本運賃は6,700ウォン。地下鉄1回の4倍以上です。
- 朝食を安く固定する:キンパ3,869ウォンを朝の定番にすると、昼と夜の選択肢が広がります。
- 宮は統合観覧券で:6,000ウォンで4大宮+宗廟。個別に買うより確実に得です。
- 買い物予算を先に切り分ける:コスメや食品は上限が無いので、別財布にするのが最も効きます(オリーブヤング買い物ガイド)。
- デリバリーを使う日を決める:ホテルで食べる日は配達料込みで計算を(韓国のデリバリーアプリガイド)。
日数別の総額早見表
1日あたりの金額が決まれば、あとは日数を掛けるだけです。滞在日数ごとの目安を表にしました。空港往復はAREX一般列車(第1ターミナル/4,750ウォン×2=9,500ウォン)で計算しています。
| パターン | 2泊3日(3日分) | +空港往復 | 4泊5日(5日分) | +空港往復 |
|---|---|---|---|---|
| 節約型 | 72,831ウォン | 82,331ウォン | 121,385ウォン | 130,885ウォン |
| 標準型 | 116,790ウォン | 126,290ウォン | 194,650ウォン | 204,150ウォン |
| グルメ型 | 191,103ウォン | 200,603ウォン | 318,505ウォン | 328,005ウォン |
短い旅行ほど「せっかくだから」が増え、長い旅行ほど1日あたりが下がる傾向があります。2泊3日ならグルメ型に寄せても20万ウォンほど。4泊5日で節約型を徹底すれば13万ウォン台に収まります。自分がどちらのタイプかを先に決めておくと、現地での判断が速くなります。
食事の組み合わせ早見表:1日3食でいくら変わるか
参価格の数値をそのまま組み合わせると、1日の食費は次のように変化します。すべてソウル地域の平均価格を単純に足したものです。
| 組み合わせ | 朝 | 昼 | 夜 | 1日の食費 |
|---|---|---|---|---|
| A:最安重視 | キンパ | ジャージャー麺 | キムチチゲ定食 | 20,177ウォン |
| B:バランス | キンパ | ビビンバ | 冷麺 | 28,330ウォン |
| C:1食だけ贅沢 | キンパ | カルグクス | サムゲタン | 32,099ウォン |
| D:夜に焼肉 | ジャージャー麺 | ビビンバ | サムギョプサル | 40,744ウォン |
| E:全部ごちそう | カルグクス | サムゲタン | サムギョプサル | 49,551ウォン |
AとEの差は1日で29,374ウォン。3泊4日なら約117,000ウォンの差になります。毎食を我慢する必要はなく、「Cの日を2日、Dの日を1日」といった形で配分するのが現実的です。朝だけキンパで固定するパターンは、満足度を落とさずに下限を作れる点で特に有効です。
交通カードと支払いの準備:出発前にやっておくこと
ソウルの地下鉄とバスは、交通カードで乗るのが基本です。現金で1回用の乗車券を買うと、カード運賃より高くなるうえ、改札で毎回並ぶことになります。到着したらまず交通カードを用意する、という順番を決めておくだけで、滞在中の小さなストレスがほとんど消えます。
- 交通カードは到着当日に用意する:空港駅やコンビニで購入できます。初日の移動から割安運賃が効きます。
- 乗り換え時間を意識する:地下鉄とバスの乗り換えには統合運賃が適用され、距離に応じた追加運賃だけで済みます。
- 早朝割引を使う日を作る:午前6時30分より前の最初の乗車は基本運賃が20%割引です。
- 現金は少額だけ:伝統市場や屋台では現金のみの店があります。それ以外はほぼカードで完結します。
- レシートを一日の終わりに確認する:使った金額を毎晩ざっと見るだけで、翌日の調整が効きます。
地下鉄の路線図や乗り換えのコツ、交通カードのチャージ方法については韓国の地下鉄とT-moneyカードの使い方で詳しく解説しています。移動に慣れるほど、タクシーに頼る回数が減り、結果的に費用も下がります。
予算が崩れる3つの瞬間
| 場面 | 安い選択 | 高い選択 | 1回あたりの差額 |
|---|---|---|---|
| 深夜の移動 | 地下鉄 1,550ウォン | 深夜タクシー基本 6,700ウォン | 5,150ウォン |
| 夕食の選択 | キムチチゲ定食 8,654ウォン | サムギョプサル 21,321ウォン | 12,667ウォン |
| 夜のバス | 幹線バス 1,500ウォン | 深夜バス 2,500ウォン | 1,000ウォン |
共通しているのは、どれも「夜」に起きるということです。昼間に計画通り動いていても、23時を過ぎた瞬間から単価が跳ね上がります。帰りの手段と時間を先に決めておくことが、最も確実な節約になります。
支払い手段で変わる韓国旅行の予算の「見えないコスト」
ここまでの金額はすべてウォン建てです。問題は、そのウォンをどう用意するかで実質的な負担が変わることです。日本のクレジットカードでそのまま決済すると、カード会社の事務手数料が上乗せされます。現地ATMでの引き出しにも手数料がかかります。
つまり旅費を正確に管理したいなら、「ウォンの価格表」と「自分が払う日本円」のあいだに何が挟まっているかを把握する必要があります。
moin card(モインカード)という選択肢
moin cardは、あらかじめウォンをチャージして使うプリペイド(前払い)カードです。
- チャージ手数料0%
- 決済時はチャージしたウォンがそのまま差し引かれる:1万ウォンの決済なら1万ウォンちょうどが減り、別途の上乗せはありません
- 残った残高は日本の口座へ返金
- 決済と交通を1枚で:支払いカードと交通カードを分けずに済みます
この記事のシミュレーションのように1日あたりの上限を決めてからチャージすれば、使いすぎがそのまま止まります。上限を物理的に作れるのがプリペイドの強みです。
※ moin cardは2026年下半期リリース予定のサービスです。手数料・機能などの条件は変更される可能性があります。最新の内容は公式サイトでご確認ください。
旅行後にウォンが余った場合の扱いは余ったウォンの返金方法、韓国から日本へお金を送る場合は韓国から日本への送金FAQも参考にしてください。
よくある質問
Q. 1日の韓国旅行の予算はいくら用意すれば足りますか?
公的データで計算すると、宿泊費を除いて節約型で約24,000ウォン、標準型で約39,000ウォン、グルメ型で約64,000ウォンです。買い物をする予定があるなら、これとは別枠で上限を決めておくことをおすすめします。
Q. 食費を抑える一番の方法は?
1食を入れ替えることです。参価格のデータでは、サムギョプサル1人前(21,321ウォン)をキムチチゲ定食(8,654ウォン)に替えるだけで1食あたり12,667ウォン浮きます。3泊4日なら数万ウォン単位の差になります。
Q. 交通費は1日いくら見ておけば?
地下鉄・バス中心なら1日5,000ウォン前後で収まります。地下鉄基本運賃1,550ウォン、幹線バス1,500ウォンなので、3〜4回乗る計算です。タクシーを使う日は別途4,800ウォン〜を加算してください。
Q. 現金はどのくらい必要ですか?
ソウル市内はカード決済がほぼ全店で可能です。ただし伝統市場の小さな店舗では現金のみの場合があるため、少額だけ用意しておくと安心です。
まとめ
韓国旅行の予算は、公的データを使えば「なんとなく」ではなく数字で組み立てられます。この記事で確認した通り、ソウルでの1日は宿泊費を除いて約24,000〜64,000ウォン。差を生むのは食事の選び方と、タクシーを使うかどうかです。
出発前に1日の上限を決め、その金額だけをウォンで用意しておく。それだけで予算は守れます。
moin card 事前登録のご案内
moin cardは2026年下半期リリース予定です。事前登録しておくと、リリース時にいち早くお知らせが届きます。チャージ手数料0%、決済・交通が1枚、残高は日本の口座へ返金——韓国での支払いをシンプルにしたい方はこちらから。
